「カレーうどん食べようって約束したじゃん!なのに白いシャツ着てくるなんて私のこと考えてないのと一緒じゃん!大っ嫌い!」とかそんなこと言える女はすげぇムカつくけどすげぇうらやましい。


今更ながら白状するが、私は中学校を二つ経験している。
私立の女子校と、公立の共学である。

ざっくり私の中学生時代を紹介すると、
秘密の花園と呼ばれる女子校に入学するが、最初の3ヶ月だけ通った後に一年引きこもり、あるきっかけで共学への転校。である。

まず、その女子校に入るまでの私の人生を記していこうと思ふ。



  1. 某有名進学塾で落ちこぼれたたなか


私は小学三年生の頃に、近所の米屋の紹介でその娘さんが通っていた塾に見学に行った。

私は非常に乗り気ではなかったが、親はノリに乗っていて、まだ通ってもいないのに早◯田や、某有名国立お茶系女子などを挙げるなど、相当浮き足立っていた。

そしてその時に、入学テストなるものを受けさせられた。私は並べられた難問を前にただ鉛筆を握りしめることしかできなかった。


なのに、後日届いた合否結果は、意味不明にも合格と書かれていた。


なぜかわからないが、チンパンジーと学習能力が一緒だったはずの私は難問と呼ばれる有名塾の入塾テストをパスしてしまい、小学三年生の夏から私は進学塾通いの日々が始まった。


だけどここでクズのたなかである。
週一であった授業を行かないなんてザラであった。
むしろ、欠席するという連絡すら入れることはなかった。

まぁでも、さすが進学塾。
休むたびに電話をかけてくるのである。
そのしつこさといったら、憎悪を催すレベルである。
だからまず私は、家の電話のコンセントをかたっぱしから抜いた。

すると、どうだろう。
親の携帯に直接的に連絡が入るようになった。
親は私の悪行に気づき、ただいつも以上に叱られただけだった。



でもやはり、私はクズなので塾にはいかなかった。
とはいうけれど、二週間に一度は行っていた。
ずっと行かないとさすがに怒られるので、譲歩した後に出された答えがそれであった。
でも、行かなかったからといって、勉強を怠っていたわけじゃなかった。家で時間を見つけては参考書を開いて熟読していた。
それが、家にある本をすべて読んでしまった私の苦肉の策で生まれた暇つぶしだった。


そんな不埒な状態で成績はどうだったかというと、なんともハッピーなことだが成績優良だったのだ。日頃の参考書読みがよかったのだろう。
全国ロリショタ統一テストでもなかなかに悪くない成績を残し、「たなかは毎回塾に来ればもっと成績が上がるよ、チョコレートやヨーグルトを作ることで有名な会社と同じ名前のあの中学とかどうだ?」と塾長に言われたレベルである。


そう、私はこの言葉を過信した。


二週間に一回行っていた授業を、「二週に一回でこれだけの成績なら行かなくてもいけるっしょ」という謎の自信のために、三週に一回行くか行かないかまでの不登校ぶりをみせた。


夏休みも、肌の色が焦がし醤油になるまで遊び呆けた。
夏期講習はもちろんあった。7月いっぱい夏期講習だった。だけれど行くはずがなかった。そして旅行が詰まっていた私は一切参考書を開かなかった。
やっぱり夏は遊ばないと、夏に置いていかれちゃうからね!(謎理論)


そして、9月になってやっと塾を訪れた私はみんなの肌の白さに愕然とした。
その腕は、夏の間長袖でも着ていたのかと問いたくなるほどであった。
まじめなみんなは、夏期講習をフルで出席し、よくわからないバリアフリーだのつるかめ算だのを延々とやってのけたのだ。
夏休み二ヶ月まるまる遊び呆けた私と真面目にコツコツと夏を無駄にしたみんなとは、明らかな差がついていた。
私は、食塩水も植木算もしらない。みんなは楽しそうにそれを解いていく。
私は一人、配られたプリントの前で呆然とした。
そしてあまりにも解けないので、プリントにかわいいかわいいうさぎちゃんを描いていた。
それが、小3の私の夏の終わりであった。



それからの私は荒れに荒れた。
まぁ荒れたと言っても、元から塾サボりがベターなクソ野郎だから、荒れた故にすることとは、参考書を一切開かなくなったことぐらいだ。
あまりの私の行かなさに、塾から毎週その回の宿題、その範囲が郵送されてきたが、私はそれさえ無視した。

宿題をせずになにをしていたかというと、私は友達と遊び呆けていた。
小2までベビーシッターがいたため、放課後友達と遊ぶという習慣を知らなかった私は、持ち前ののめり込む性質を生かして、手当たり次第友達に声をかけ、放課後を共にしていた。
初めて感じられた、友達との遊びというものを謳歌していたのだった。

でもある日、そんな私に転機が訪れる。



2. 中学校見学に行くたなか


小学3年という期間はあっという間に過ぎ、季節は私を小学5年生まで成長させていた。
私は二年という間塾に行ったり行かなかったりしていた。



そんな中、いつものように塾をサボり歓楽街をぶらぶらしていたときのことである。
行き交う人々はみんな若作りに必死で、どいつもこいつも醜悪さを秘めていた。



だけれどその中で唯一、純粋な皮を被った乙女たちがいた。



キャラメル色の制服。
赤色のかわいいリボンに、赤色のチェックのプリーツスカート。



一瞬で目を奪われた。



私が女子高生という存在を認知したのはこの時だっただろう。



それぐらいに彼女らは輝いてた。



そして私がその学校に入学したいと思うのに時間なんてかからなかった。
帰って、制服を検索すると一発で名前が出てきた。
それは中高一貫の女子校だった。
偏差値は上の中。
あの時の私からいえば、あまりにも高すぎる学校だった。


でもどうしても、あの制服が着たかった。


あんなキラキラした女の子になりたかった。





だから、私はとりあえず未来のリーダーを育てることをモットーにしている会社の参考書を開いた。





冒頭からさっぱり意味がわからなかった。






ので、私は静かにその参考書を封印した。






うん、諦めた。






諦めましたよ、すぐに。










無事にその学校に落ちた私は、第三希望であった適当な私立女子校に進学しました。


でもあまりにもその学校の制服が着たかったので、お年玉をすべて費やしてその学校の制服をオークションで購入しました。
多分、あのオークションの中で私ほどこの制服を健全に使った奴はいないと思う。


私は引きこもっている間、その制服で街を練り歩き、ひたすらその学校の品位を傷つけるようなことをしまくった。
今思えば、クズも逆恨みもいい加減にしてほしいところだ。



ただ、今でも思うのは、小3のあの夏期講習をきちんとでていたら、今の無念を小3の私に伝えられたら、そしたらきっと。



まぁ、もう今更遅いことぐらい分かってるので、今年も私はクズ街道まっしぐらしようと思います。